悪い芝居 山崎彬よりオーディションを受けてくださる皆さんへ

文字通り、新たな出会いを求めて出演者オーディションを行いたいと思います。

ちょっと長くなりますが、オーディションを受けるかどうかを決めてもらうために「こいつのなら出たい」か「こいつのは絶対出たくない」か、そのどちらかの意志が皆さんの中でもはっきりわかる方がいいと思うので、普段どういった心づもりで悪い芝居をつくっているかを書いておきたいと思います。受けようと思ってる人は読んでください。

これは受ける予定のある人と受けるか受けないか決めかねている方への御手紙なので、悪い芝居を観劇で楽しみたい人や、100パー受けるつもりのない人には書かれてない文章だと思って読んでいただけたらと思います。

「ここで引き返してください」と書いても読まれちゃうのでひと言断っておきました。よろしくお願いしますね。

よし、これで安心だ。

では、読む方は下の「つづきを読む」をタップまたはクリックしてください。


悪い芝居はその名の通り、どうせやるなら悪い芝居をしようという思いで作っていて、イカれた名前の登場人物や、普段は言わないセリフや、ありえない状況が次から次へと起きるような作風が多いです。

ですけど、物語を考えるときはいつも“ありそうなありえなさ”を感じられるかどうかを大切にしています。

僕の考える“ありそうなありえなさ”とは、登場人物は現実のどこかに本当にいて、その物語も本当に存在していると信じたいと思えるかどうかです。こんな物語が本当にあればいいのにという祈りにも似た気持ちで作ってます。

笑いは絶対あってほしくて、かといって笑いを主な目的としたコメディではなく、かわいらしさとかっこよさを感じられる演劇にはなると思います。

どんな方向性になるにせよ、一番大切にしてるのは登場人物それぞれが物語を背負っていること。程度の差はあれどそれぞれの人物にとっては生きるか死ぬかの物語なので、結果的にイカれた演劇になるという感じです。その物語は全部が全部お客さんには伝わらなくていいものだと思ってます。

登場人物それぞれに物語を背負ってもらうためにも、悪い芝居ではどんな俳優さんが出てくれるかが重要になってきます。もしかしたら、選考基準として一番大きいのは「この人に物語を託したいと思えるかどうか」かもしれません。ですので全員が物語を背負う心意気を持って出てほしいと思ってます。

前作は「いきること」「しぬこと」「あいすること」をテーマにつくりました。

今回オーディションを行う悪い芝居の新作は、「お金」をテーマに書いてみようと思ってます。世界を測るものさしはたくさんあるけれど、そのものさしの中で一番重きが置かれているのは「お金」だという現実にぶち当たった登場人物たちが、ムカつくから「お金」を超えるものさしを作ってやろうと目論む、そんな演劇にしたいと思ってます。と言っても政治劇にも経済劇にも歴史劇にもなるわけはなく、いつものような荒唐無稽な悪い芝居になるとは思うので、自分でもどんな「お金」にまつわる悪い芝居になるのか、今もまだわかってません。けど、出てくださる俳優さんが決まればおのずと物語は浮かんでくると思います。ぜんぜん「お金」の物語にならなかったらすみません。

頂いた資料の中の応募理由と映像資料を軸に「書かせていただきたい」と直感的に思える方の演技はできるだけ観たいと思ってます。本当に出演できるかどうかなどが、スケジュール面などで心配になった場合のみ、演技審査の前にリモートでの面談が入るかもしれません。

演技審査では事前に台本をお渡しします。セリフやト書きは覚えてきてもらって、その本をどのように読んで、当日出会う共演者とどのように演じあげるかを主に見せていただこうと思います。お顔を見せてもらう時間(ディスタンスをとった上での自己紹介やセリフ合わせなど)はあるかもしれないですけど、少し距離の縮まる実演の際はマスクをしてもらいます。すいません。

その後、最終的に面談をして出演交渉に至りたいです。素顔で話す姿を見たいので、こちらはリモートになると思います。

こんな感じの流れの舞台のオーディションです。
読んでみて、色々感じて考えてみて、「出てやるか」と思えたら受けてみてください。

色々めんどくさいし、ハードルは上がってるかもしれませんが、その気合いも含めて出会えることを楽しみにしています!! みんな出てもらう系の企画は、また別の機会にやらせてください。今回は劇団の本公演なので、ちょっとこういう形になっちゃいます。

基本的に演技経験は問いません。前回の本多劇場公演も初舞台が5人も出てたので、その辺はへっちゃらです。一緒に、すんごいのつくりましょう。

相変わらず、コロナの野郎はムカつきますね。ご応募お待ちしています。

山崎彬

悪い芝居


2004年12月24日、路上パフォーマンスで旗揚げ。
京都で創作した作品を東京・大阪など各地へ持っていくスタイルで一世を風靡し、現在は東京と京都を活動拠点に各地を自在に行き来しながら活動中。メンバー編成は紆余曲折を経て、現在は25名となる。
「現在でしか、自分たちでしか、この場所でしか表現できないこと」を芯にすえ、文学性とポップカルチャーが見事に共存した唯一無二の作品を発表し続けている。

結成10周年を迎えた2014年『スーパーふぃクション』を機に、『バンド演奏とイカす人間たちが絡み合う作風』と、『演劇の想像力を信じ切り、客席との距離感を自在に操る作風』の二つを行き来するようになり、どこか古めかしく、けれど初々しい、蜂蜜のたっぷり入った縄文土器のような作風だと称される。

2017年、悪い芝居バンド演劇の集大成として上演された『メロメロたち』で第24回OMS戯曲賞大賞を受賞、翌2018年に再演。

2019年に旗揚げ15年を迎え、春には恋と暴動の新作二本立て本公演、夏から秋にかけて大阪・仙台・東京三都市ツアー、冬にはシアタートラム・ネクストジェネレーションに選出され『ミー・アット・ザ・ズー』をシアタートラムにて全編生演奏で上演した。

2020年2月には最新公演『今日もしんでるあいしてる』を本多劇場で上演。連日満員となった。

「なんかおもしろそう」と思えるなら大丈夫をモットーに多数の悪い芝居中毒者を現在進行形で生み出し続けている。

誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。

Twitter @waruishibai
Instagram @waruishibai
Youtube 悪い芝居公式チャネル


公演概要

山崎彬新作書下ろし
悪い芝居vol.28『(タイトル未発表)』
作・演出 山崎彬

【劇場】本多劇場

【公演期間(予定)】2022年3月18日(金)~3月21日(月・祝)
※3月15日(火)~3月17日(木)仕込み・リハ―サル

【稽古日程】2022年2月14日(月)稽古開始予定~3月14日(月)
【稽古場所】東京都内スタジオ

※上演時間は140分前後を予定。
※新型コロナウイルスの影響や情勢次第で、全席使用が不可能な場合はステージ数増減、配信公演追加の可能性があります。

募集スケジュール

6月19日(土) 12:00~ 受付開始
6月28日(月) ~23:59 受付締切

7月上旬 一次書類審査結果通知、および二次演技審査

8月 演技審査参加者へ合否通知

応募条件等

応募要項

下記フォームより基本情報の入力をお願いします。
https://forms.gle/Lr7aQ3X9yfqjVdoZ9

▼入力情報一覧

たくさんのご応募、お待ちしています!!