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悪い芝居

2004年12月24日クリスマスイヴ、京都――
立命館大学構内と京都・四条大宮路上でのパフォーマンス『詩人と大女』にて旗揚げ。
謎の歌の熱唱でフィナーレを迎える、詩を売る男とデートをしたい恋人による寸劇は
クリスマスイヴで賑わう街を歩く数人の恋人たちの甘い時間を20秒だけ止めた。

2005年3月、4年間在籍した学生劇団・劇団西一風の卒業公演の名目で、悪い芝居vol.1『鈍い音』を立命館大学以学館2号ホールにて無料で上演。初の脚本・演出長編演劇としての山崎彬作品が世に放たれる。複数の出鱈目なレイヤーが折り重なり最終的に無理矢理混ざり合ったり、意味の分からないオリジナルソングを歌い始めるなど、旗揚げ公演から山崎彬の作風は健在していた。

同年4月、卒業後にも関わらず、脚本を書く人間がいなかった後輩たちに『ロッキン・オン・トゥ・ザ・ルーム』を劇団西一風新入生歓迎公演として書き下ろす。当時のチラシに載っていたコピーは「この春、ドラえもんの声が変わった。そして俺は、姉の部屋を漁った」

同年9月、京都・スペース・イサン東福寺にてvol.2『疑問符家族~つまりすべては円である~』上演。当時としては珍しく映像を多数用い、変な名前のキャラクターが暴れまわった、記念すべき最初の公演となる。

同年11月、阿呆船企画no.1として『グッバイ・モーツァルト』を上演。山崎彬は俳優として二人芝居に挑んだ。

2006年3月、京都・アトリエ劇研にてvol.3『注目』を上演。小学生の時に被災した阪神淡路大震災とジョン・レノン銃殺事件を下敷きに、現在の自分達の状況をモキュメンタリー作品風に上演。演劇ぶっくに公演のレビューが載り、それを機に本格的に劇団としてやっていくことを決意。公式webサイトをOPENし、初めてメンバー募集を行う。

同年9月、入団した新メンバーと共に悪い芝居の勇気ある行動シリーズとして『柔乙女!』を引っさげ、初の外部企画「文化祭=CultureCarnival=」に参加。大阪にてコント集を上演する。その内容は「女子プロ野球を舞台に、二塁へ盗塁したランナーがスライディングの勢いが強すぎて行方不明になる」、など。

同年同月、京都・アトリエ劇研にてvo.4『岩乙女!』を上演。〝食べる〟ことをテーマにした今作が劇団化初の本公演となる。意味のわからないオリジナルソングはこの作品にも登場。当時サラリーマンだった植田順平が観劇し、自らの将来を悩み始める。

2007年3月、悪い芝居の弱気な言動2007として『イク直前ニ歌エル女(幽霊みたいな顔で)』をアトリエ劇研にて上演。この年は〝賞をとるまでにしたい10のこと〟として謎のチャレンジを10個敢行。その一つとして、この公演のみ全メンバーが芸名で活動する。90分間続いためちゃくちゃな物語はバッドエンドを迎え、暗闇になり明るくなると登場人物たちが現れてアフタートークをする演劇。全員がバッドエンドの原因を他人になすりつける中、「また逢う日まで」が爆音で流れ、無理矢理終演。初めてのダブルコールを獲得する。サラリーマンだった植田順平、退社して演劇の道を志すことを決意。

同年5月悪い芝居のブレてる助走07として『性春群憎劇のススメ』をスペース・イサン東福寺にて上演。長短14本のコントを畳みかけ、爆笑と失笑をさらった。このころ、植田順平が入団し、以後悪い芝居の公式webサイトが強化されてゆくこととなる。

同年8月、京都芸術センターにてvol.5『ベビーブームベイビー』を上演。京都芸術センター舞台芸術賞2007にノミネートされた本作は、日本家屋の茶の間をど真ん中に置き、周りを謎の空間で包む、複数エピソード同時進行演劇として、観客と審査員の戸惑いを誘った。見事、落選。

2008年4月、大阪の精華小劇場で行われた精華演劇祭への参加作品として『なんじ』を上演。オーディションを経て入団したメンバーのみで上演され、劇団力だけで立ち向かった最初の作品。誘拐された女と引きこもりの男の出会うことのない妄想上のラブストーリーだが、セーラー服を着た山崎彬が本編と関係のない絡みを観客と交わす謎の冒頭を選ぶ。今となっては、その動機は全くの不明だが、『なんじ』以後数年、「尖ってる」「若い」「青い」「熱い」「よくわからない」と言われるだけの時期を過ごす。

同年10月、京都・三条御幸町ART COMPLEX 1928にて『東京はアイドル』を上演。このころから東京を意識し始める。SNSも普及してなかったこの時代、まだ見ぬ東京はやがて憧れをまとった仮想敵となる。

2009年4月5月、京都の劇場ART COMPLEX 1928にPOWER PUSH COMPANYに選出され、『嘘ツキ、号泣』を京都と東京の二都市で上演する。悪い芝居としては初めて、新宿・サンモールスタジオで東京での公演を行う。メンバー本人の運転によりハイエース数台で乗り込んだ東京の街での最初の思い出は、植田順平が新宿の街に圧倒されながら車を走らせたことと、一晩同じ体制で助手席に座っていた山崎彬の足が東京に着いた頃に捻挫していたというもの。東京公演初日の夜、衣裳を洗濯する新宿二丁目コインランドリーで「絶対にこの夜を忘れない」と半泣きで誓ったのもいい思い出。進野大輔が手伝いとして参加し、気づいたら入団していた。脚本がOMS戯曲賞の佳作に選ばれる。

同年11月12月、京都と東京で『最低の夢』を上演。初めての東京公演を肩肘はって挑んでしまった反省から、「もうどうにでもなれ」という思いを詰め込んだ作品になる。よりによって、動員や評判を呼び、「これでよかったんだ」という勘違いを生んでしまう。また、後に悪い芝居の成長に多大なる影響を与えることとなる東京・王子小劇場との出会いとなった作品でもある。

2010年5月6月、悪い芝居10回目のめもりある公演として『らぶドロッドロ人間』を上演。POWER PUSH COMPANYの2年目は同時進行別エピソード演劇に再び挑戦し、広大な森の中にワンルームマンションが浮遊しているという舞台美術で繰り広げられる物語は、多くの観客の戸惑いを誘う。このころから劇場パンパンの舞台美術を立て込むようになり、いつも「ちょっと狭いな…」と思いながら作品を発表する成長痛を感じ始める。

同年12月、翌2011年1月、『キョム!』を上演。大阪公演は精華演劇祭への再登場、東京公演は下北沢初登場となった。近い将来の解散も視野に入れた劇団そのものの未来を占うつもりで上演した本作は、植田順平初主演作品として劇中劇とフェイクドキュメントを行き来する作品となり、東京公演で初めてのダブルコールを獲得する。以後、数年経っても語り継がれる作品となった。

2011年5月、京都市中京区に現在も存在する町屋づくりの劇団事務所を劇場として、約1か月間に及ぶ会話劇、悪い芝居 金色の家屋公演2011『団欒シューハーリー』を上演。この年、約4年ぶりにメンバー募集を行い、悪い芝居として新たな力をたくわえるために、しばし劇場公演を休止し、様々な演劇の形を模索し始める。連日満員御礼の末、追加に告ぐ追加公演を行った本作から始まった2011年は、以後の劇団の礎を創ることとなる。この年、畑中華香、岡田太郎(現在、休団中)、北岸淳生(現在、休団中)がメンバーとなる。

岡田太郎の入団により、以後、すべての作品をオリジナル音楽と共に上演するようになる。

同年8月、京都のライブハウスにて、悪い芝居の自由嫌究2011 汗薫る音楽劇『サマーキラーチュンチュン』を上演。劇団内バンド・ザゴーズを結成し、MCからセットリスト、パフォーマンスまで全て脚本に沿って行う演劇的なつくりかたによるライブを行う。ザゴーズとして1stアルバム『サマーキラーチュンチュン』をリリース。

同年10月、本当に悪い芝居vol.1『猿に恋』を上演。身体表現を主としたセリフのない原始人劇に挑戦する。

同年11月、第56回岸田國士戯曲賞最終選考に残った『駄々の塊です』を上演。ART COMPLEX 1928 POWER PUSH COMPANYの集大成として上演された本作は、すべての動物がいなくなった動物園を物語の舞台に、小劇場舞台として珍しい回転する盆舞台の上で人間たちが暴れまわる作品となり、初めて一つの都市での10ステージ以上の上演を達成。動物の仮面を被って盆舞台を回していた北岸淳生と進野大輔は、全日程終了後に汗だくの顔で「もう二度とやりたくない」と笑いながら語ったが、目は本気だった。また、出演者が盆舞台の奥に置かれた椅子に常に鎮座し、出番の直前まで台本を凝視してセリフを覚えて登場するという演出を「物語に操られる登場人物のメタファー」として描き、ラスト近辺では台本を読むことをやめて自由に動き始めるという意図で取り入れる。「知らない舞台の出番直前に台本を渡されセリフを覚えさせられて出る」といった舞台役者が本番直前に見る夢に着想したもので、もちろんちゃんとセリフは入れていたが、観に来た先輩演劇人に「セリフはちゃんと覚えた方がいい」と怒られる。

2012年1月、下北沢駅前劇場で無声劇『猿に恋~進化ver.~』を再演。観客を呆気にとる。

同年6月7月、大阪・in→dependent theatre 2ndに『カナヅチ女、夜泳ぐ』で初登場。都会から地元に舞い戻った何故か体が浮遊してしまう女性を主人公にした悲喜劇であり、このころから「笑い泣き」を主軸に置いた物語を模索し始める。脚本・演出を兼ねる山崎彬も出演しているため、場合によっては劇場リハーサルにおける山崎の役を他のメンバーが演じることもあるのだが、当時準メンバーであった北岸淳生が主人公をリフトするシーンの一人として山崎の代役で舞台上にいたリハ写真を、演劇ぶっくの記事中の写真として誤って提出してしまい、そのまま使用される。

同年11月、悪い芝居の一日千秋ツアー『不要想像力パーティー』として、京都・東京・大阪の三都市で劇団内バンド・ザゴーズのライブツアーを行う。ハイエースに自分たちと楽器を乗せて三都市を回り、それなりのお客さんに来ていただいたことで、こっちを本気にしていくかどうか、ちょっとだけ悩む。ライブ公演派生ユニットとして劇団内アイドルグループ・りっぷくり~む、劇団内HIP HOPユニット・stammerings、劇団内歌手・薔薇巻霞が生まれる。ザゴーズ2ndアルバム『不要想像力パーティー』をツアーと同時にリリースする。

2013年2月3月、大阪・新潟・東京で『キャッチャーインザ闇』を上演。関西圏関東圏以外で上演された初めての悪い芝居として新潟で上演された本作で、知らない土地での上演の楽しさを知る。
また以降、ほぼすべての公演で衣裳を担当してくださり、新しいメンバー写真の衣裳も手掛けたウエンディこと衣裳家・植田昇明さんが初めて参加した作品となる。

同年4月、悪い芝居の夢のあめりかツアー『超ミュージック超ライフ』としてザゴーズの三都市ツアーを敢行。このスパンの短さからも見てとれるように、音楽活動に本腰を入れる思いもうかがえるが、残念ながらこのツアーを最後に2020年の「悪い芝居のなんかおもろそう」までザゴーズの曲は封印されることとなる。ザゴーズ3rdアルバム『サンマイメ』をリリース。

同年8月9月『春よ行くな』を大阪・東京にて上演。恋人が失踪した主人公の物語を歪な身体表現を駆使しながら描き、大阪・in→dependent theatre 2nd公演で披露された、劇場奥一面にあるシャッターを全開して街の中に主人公を放ち終演するという衝撃のラストシーンは、今も語り草となっている。本作は2016年にも再演され、また山崎彬のワークショップで本作を下敷きにした作品を上演するなど、劇団の代表作のひとつとなる。また、このころからワチャワチャしたエンタメ要素の高い作風と人間の本質を描くようなシリアスな作風を交互に発表するようになる。

2014年7月青山円形劇場で『マボロシ兄妹』を上演。悪い芝居プロデュース公演アンダーヘアと銘打ち客演俳優を多く招いた本作は、悪い芝居作品の中では設定も時代背景も異質の作品となった。

同年9月10月文化庁委託事業「平成26年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進劇団育成公演として『スーパーふぃクション』を上演。3時間半を超える上演時間で悪い芝居史上初めての二幕構成の舞台となり、生バンドを駆使し終始ハイテンションで進むフルボリュームの本作を上演できたのは間違いなく、文化庁委託事業「平成26年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進劇団育成公演として選んでいただいたからであり、生バンドを駆使した作風はのちの悪い芝居のひとつのスタイルとなったため、まさに次代の文化を創造し育成していくことに成功したと言える。千穐楽後、客席を暴れまわりながら観客の口の中にお寿司を放り込んでいったスペシャルライブを終えた時、これまで悪い芝居でやってきたことがすべて本作『スーパーふぃクション』に繋がっていたと感じたという。間違いなく悪い芝居の転機となった公演。2年後に行われる数年ぶりの大規模メンバー募集の際に加入するメンバーの多くは『スーパーふぃクション』を観て心奪われた世代であった。フライヤーイラストは『恋の門』などで知られる羽生生純氏が手掛けた。

『スーパーふぃクション』にオーディションを経て出演していた中西柚貴が、全日程終了後、メンバーとして加入する。

2015年6月『キスインヘル』を上演。前作に引き続き生バンド生歌演劇として上演された本作で、そのスタイルを確立させてゆく。開演前アナウンスを舞台裏からマイクを使って生で喋ることを託された中西柚貴は、周りの応援(?)も空しくアナウンス中に笑ってしまい、携帯電話の電源を切ってもらうお願いを半笑いでしてしまう。終演後、「笑わない方がいいと思います」という真っ当な御意見をいただく。

2016年7月『メロメロたち』を上演。生バンド生歌演劇の集大成として二幕構成のフルボリュームで上演された。本作は第24回OMS戯曲賞で大賞を受賞することとなり、この頃から悪い芝居はいい意味での荒削り感から脱却し、演劇作品としての完成度も上げてゆく。

同年9月10月、悪い芝居リインカーネーションと銘打ち2年ぶりに客演俳優を多く呼ぶプロデュース公演として、『春よ行くな』をリメイクしてブラッシュアップさせた『春よ行くな、』を上演。同時期に行っていた大規模メンバー募集で、東直輝、阿部りん、藤嶋恵、川人早貴、佐藤かりんが加入。

2017年4月『罠々』を上演。大量加入した新メンバーがお披露目された本作の大阪公演開演前、体を温めるべく楽屋前で踊っていた東直輝が誤って壁に穴を開けてしまう。以降、東の開演前のアップは大人しくなり、奇しくも東の開演前ダンスが見れた最後の公演となってしまう。また、畑中華香が「ソムリエになります」と宣言し、手伝える時は手伝いたいが恐らくそんな時間は取れなくなるだろうと、半永久的に休団することをメンバーに告げる。

同年9月「悪いけど芝居させてくだ祭」として、山崎作品に加えて俳優メンバーの演出作品も上演する演劇フェスを開催。『夢を見た後見てる夢』での脚本・演出に加え山崎演出の二人芝居『神様それではひどいなり』に出演することとなった東直輝は、自作と二人芝居のプレッシャーで目の輝きが闇色になっていったのと対照的に、『純白』での女子高生役ほか色んな役が演じられてとにかく楽しそうだった植田順平の目がランランとしていたのが印象的な公演となった。

2018年4月5月『ラスト・ナイト・エンド・ファースト・モーニング』を上演。中西柚貴と東直輝が主演を担い、新しい世代の悪い芝居の始まりを感じさせる公演となる。本作は上演直後から再演希望の声を多くいただいており、その声にこたえる形で2022年にリメイクされる。また、以降の全作品でメインビジュアルデザインを担当することとなる樋口舞子さんが初めて参加した作品となった。

また公演後、出演していた潮みかが入団し、以降の悪い芝居に欠かせないギャル要素が加わることとなる。

一方そのころ、畑中華香がソムリエにならずにわずか1年足らずで復団。

同年8月、オフィス上の空プロデュースとして『アイスとけるとヤバイ』を上演。同作は旗揚げ初期以来の稽古をしながら執筆をしてゆくスタイルを取って制作され、参加したいメンバーだけが参加する作品となった。結果、ただただ夏にふさわしいクダらなくて楽しいだけの演劇ができあがり、終演後に潮みかは「毎年夏コレやりたい~」と本気で駄々をこねることとなる。

同年11月OMS戯曲賞大賞の受賞を受け、脚本と演出と楽曲をブラッシュアップして『メロメロたち』を大阪・東京で再演。劇終盤にソロ歌唱を控える東直輝は、難しいBPMの取り方に苦戦し岡田太郎のアドバイスを受けて出番直前までメトロノームのクリック音を聞いて舞台に上がるも、歌う直前に自身で行う4カウント中に記憶が飛び、必ず歌が走ってしまうという怪奇現象がほぼ全ステージで起こる。

2019年5月6月、恋と暴動の悪い芝居と銘打ち、『野性の恋』『暴動のあと、さみしいポップニューワールド』を二本同時に上演。毎回作風が異なる演劇を発表していたため、同じ舞台美術の中で二本同時に上演することで短期間で違った劇団の表情を見せることとなった。

同年8月9月、潮みかの声に応えるかたちで『アイスとけるとヤバイ』を早くも再演。東京・仙台・大阪の三都市を回るツアーを終えた後、「やっぱ毎年夏やりたい~」と再び潮が駄々をこねることとなる。

同年12月、シアタートラム ネクスト・ジェネレーションに選出され、三軒茶屋・シアタートラムで『ミー・アット・ザ・ズー』を上演。歌唱シーンはなしながら全劇伴を生バンドの生演奏で上演する。

同公演終演後、1年間のオーディションと準メンバー期間を経て香月ハル、ユガミノーマル、廣江ゆづき、谷口くりあ、鈴木ゆか、たかはしかなこ、渋谷日和が新メンバーとなる。

2020年4月『トキメキメイクライトアンリアル』の上演を予定していたが、同月に発令された政府による緊急事態宣言により上演中止。中止を受け何ができるかをメンバーで話し合い、千穐楽予定の日まで毎日YouTubeでの配信を行う。またオンラインで6月から毎月「悪い芝居のなんかおもろそう」を開催。やがて状況をみて有観客での開催にこぎつけるなど、コロナ禍でも足を止めることを悪い芝居は選ばなかった。

2021年1月、旗揚げ以来最長の本公演がない期間を経て、13ヶ月ぶりに本公演『今日もしんでるあいしてる』を下北沢・本多劇場で上演。しんでることに気づかない謎のウイルスが蔓延する世界で、生きることと死ぬこと、そして愛することをテーマに今できる精一杯の作品を発表する。公演中、丸一日を休演日として同作を別角度から撮りおろし、コロナ禍だからこそ生まれた配信演劇の新たな形を先駆けて発表する。

2022年3月、岡本太郎のマインドを下敷きにした『愛しのボカン』を下北沢・本多劇場で上演。メンバー含むほぼ全てのキャストをオーディションで選出し、悪い芝居がやりたくて仕方ない座組でコロナ前の悪い芝居のノリを復活させるべく、細心の注意を払って制作し発表する。

公演後、音楽家である岡田太郎が自身の音楽活動に専念するため、休団。

同年6月『ラスト・ナイト・エンド・デイドリーム・モンスター』を上演。過去作『ラスト・ナイト・エンド・ファースト・モーニング』と『快物』を下敷きに、『愛しのボカン』オーディションで惜しくも選外になった俳優陣と新たな客演、そしてメンバーと共に新宿シアタートップスで約2週間のロングランを敢行する。

2023年1月2月『逃避奇行クラブ』を下北沢・本多劇場で上演予定。

旗揚げ以来、ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的な言葉と狂信めいた身体と幻惑かつ耳鳴りじみた心地よい音楽に乗せて勢いよく噴出し、劇世界と現実世界の距離を自在に操作する、観客の想像力を信じ切った作風を特徴とし、「現在でしか、自分たちでしか、この場所でしか表現できないこと」を芯にすえた文学性とポップカルチャーが見事に共存した唯一無二の作品を発表し続けている。

誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。

過去公演

メンバー

    スタッフ

  • 阿部りん制作
  • 藤嶋恵演出助手
  • 進野大輔特殊小道具師
  • 川人早貴演出助手
  • 佐藤かりん美術助手
  • 廣江ゆづき制作部
  • 谷口くりあ制作部
  • 鈴木ゆか制作部
  • たかはしかなこ制作部
  • 渋谷日和照明助手